作品について
「代わりのビースト」は、特価処分コーナーへ送られたビーストが、新しいオーナーとなる少女と出会う短編作品です。
特価処分コーナーに落ちたビーストと、彼女を必要としてくれた新しいオーナーの短編。
「代わりのビースト」は、特価処分コーナーへ送られたビーストが、新しいオーナーとなる少女と出会う短編作品です。

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ついに特価処分コーナーへ落ちた。 それでも、おそるおそる買うには少し高い。 安く済ませるなら、野良を拾えばいい。 運がなかったわけではない。 何度か試合には出してもらえた。 主力の穴埋めに呼ばれ、どんな役割でも必死にやった。 そして言われた。 「――前の方が良かった。 それだけの話だ。」 ここに来るレプリカントの客は、勝つための駒を探している。 処分品など、最初から眼中にない。
何日経っただろう。 埃っぽい売り場に、人間の子供が現れた。 少女はカタログを握りしめ、私に声をかけてきた。 「複数ポジションの経験があって、本当?」 「ええ。いずれも前のオーナーの満足には至りませんでしたが」 少女は首を振る。 「十分な経験よ。余剰メンバーを抱えられない私のチームには、あなたが必要な――」 ガラス越しに、少女は手を伸ばす。 つられて私も、そっと合わせた。 今度のオーナーは――子供になった。 予算や規則、何かしら事情はあるのだろう。それでも。 穴埋めではなく、「私が必要」だと言ってくれた。 この少女のためなら、なんだってできる気がした。

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