人間・レプリカント・ビースト――3者のヒエラルキー
『TOKYO BEAST』の世界には、人間・レプリカント・ビーストという3つの大きな存在が登場する。
そして、この3者には明確なヒエラルキーが設定されている。
人間 > レプリカント > ビースト

人間が頂点に位置し、その下にレプリカント、さらにその下にビーストがいる。
ただし、世界全体が単純に3段階に分かれているわけではない。
その内部にもさらに階層があり、お金を持っている者のほうが上位だったり、レプリカント同士でも差別が存在したりするという。
さらに細かく見れば、特定の場所ではビーストのほうが権限を持っている場合もある。
つまり、この世界のヒエラルキーは固定された一本の線ではなく、場所や立場によって揺らぐものとして描かれている。
レプリカントは人間に使役される
レプリカントは、人間に使役されるロボットとして位置づけられている。
一方で、単純に命令された仕事だけをこなす存在ではない。
自由意思を持ち、自分の欲求によって何をしたいのかを決めて稼働している。
ここが、レプリカントという存在を考えるうえで重要なところだ。
人間に使役される。
しかし、自分自身の意思も持っている。
この2つが同時に成立している。
ビーストを戦わせて稼ぐ
レプリカントは、ビーストをゼノカラテで戦わせることでお金を稼ぐ。
前の記事で見たように、人間・レプリカント・ビーストはXENO-karateを通して結びついている。
ここではさらに、
人間 → レプリカント → ビースト
という上下関係だけでなく、
レプリカント → ビースト
という労働・競技の関係も見えてくる。
ビーストを使って稼ぐレプリカント自身も、人間に使役されている。
そのため、3者の関係は単純な「上位者が下位者を支配する」という構造だけでは説明できない。
それぞれが別の立場で、別の存在を利用しながら社会を動かしている。
ヒエラルキーの「揺らぎ」
この世界設定で面白いのは、ヒエラルキーがある一方で、その境界が完全に固定されていないことだ。
人間が最上位。
レプリカントがその下。
ビーストがさらに下。
基本的な構造はそうだとしても、場所や状況によって権限が入れ替わることがある。
これは、現実の社会にもある「肩書きだけでは決まらない力関係」に近い。
TOKYO BEASTの世界は、単純な3段階の階級社会ではなく、さまざまな関係が重なった社会として描かれている。
そして、その中で自由意思を持つレプリカントが何を望み、ビースト自身が自分の立場をどう捉えているのか。
そこには、まだ考える余地が残されている。